連日ニュースをにぎわせている
石原都知事の「フランス語は数を数えられない言語」発言うんぬんですが、このニュースを聞いたとき、
フランス語の数に初めてふれたときの自分を思い出した。
「80を20x4とあらわすなんて、独特でその不思議感がステキ」
逆にその違いに興奮したものです。むしろ、80を20x4なんて、この時点で計算をしているような感じで、どっちかというと計算に役立つ?言語のようにさえ見方によっては見える。例えば、割り算を覚えたての小学生に80割る4は?と質問したら、日本の小学生よりフランスの小学生の方が回答が早いかもしれない!?なーんて。
石原都知事の発言で、「例えば91は20x4+11になってややこしい」と言っていたが、我らの日本語だって私たちが頭の中で「91」と短縮的に認識しているだけで、言語的には「9x10+1」である。そこまで大きな違いがある訳ではないのではないか?具体的な数字を表す数式をだすのではなく、「10進法と20進法の混在、そしてなぜか6や60という数字が最大になっている部分も入り込んでいるため、混乱する可能性がある」というふうに言った方が説得力があったかもしれませんな。(別に石原さんの発言を指示している訳ではありませんよ〜)
英語の数だって始めた触れたとき、「なんで12までは数の名前があるのに、いきなり13から○○ティーンになるのだ?どうせ○○ティーンにするなら11から、ワンティーン(11)、トゥテイーン(12)とすればすっきりするのに?」と思いませんでした?ダースという12進数的数え方もなんとなく「それってわかりやすいの?」と中学生ながらに私は思ったものです。あと、教科書にアメリカの硬貨とお札が確か載っていたのですが、「なんで硬貨に25セント硬貨とかあるんだろう?そんなにこれって必要かなぁ?」と思ったものです。
日本語だって、91を表すのには「9x10+1」なのだから、もし91を単に「9,1」と表す言語からみれば(例えば
トンガ語はそうですな)、日本語はいちいちx10という表し方をしてまどろっこしいではないか。「きゅうじゅういち」じゃなくて「くいち」でいいじゃん、とか。実際の数字ではなく、x○○方式だと、ゼロが入るとわかりにくかったりもする。実際に子供のとき、「いちまんごじゅうえん、です」とか言われたら、15000ではないのはわかっても、メモるときにどうも10500や10005と間違えてしまいそうになった。なんで10050を例えば「いれれごれ」とか数字のまま表さないんだろう、と思ったものです。
x10が邪魔となれば、
スペイン語の数に初めて触れたときに感じた「y」が入る違和感。「y」とは英語ではandで、日本語では「と」でしょうか。たとえば、91だったら、スペイン語では、
noventa y uno (ノヴェンタ イ ウノ 9x10 と 1)という言い方をします。
数を表す言葉なのに普通の文章でもつかう「y」という単語が入ってくるのが非常に不思議というか「必要なのか?」と思いました。別にyがなくても数字的にはわかるし、yがあることによって91という1つの数字を表すだけで3単語必要(noventa y uno)になってしまう。一続きにnoventaunoでもいいんじゃないか?その方が1つの単語になっていいのに!?でもまぁ、実際に発音してみると「y」は日本語の「イ」に似たような短い音ですので、長い数字を言うときはリズム的に間にはいると言いやすい単語だったというのもあるでしょうな。英語のようにandぐらい音が長いとこうはならなかったかも。日本の九九で「ににがし」じゃなくて「ににんがし」と「ん」を入れた方が調子がいいようなもんでしょうか。でもやっぱりわざわざそのために単語が3つになっちゃうのは、どうもしっくりこないかも?
そういえば、フランス語は、どうしてあんな具合の数体系になったのだろう?同じ系統と言われているラテン系の言葉はああいう数え方しないけどなぁ?昔戦国時代の日本では敵に盗み聞きされるのを防ぐために領土ごとに方言を深めたようである。もしかして、フランスもそんな危機的状況のために数字表現を変えた?などと思いを巡らせてみました。まぁ、その真相はわかりませんけど、どうやら
バスク語は20進法で数を表す様子。バスク語が話されているのはスペインーフランス国境地帯で、バスクはとっても独立心の強い地域だったこともあり、なにかここで数の体系に変化が起きたのかもしれない?そしてそれがフランス語に影響した可能性があるかもしれませんね。その後、周りの国や言葉の10進法にも思わず影響されてしまって混ざってしまったとか?でもフランス語が最後が6や60という数字が起点になっているというのはなぜだろう?他のラテン系のスペイン語では、10の位は15までで16から切り替わるのにフランス語はどうして16までなのかな?(あとでこぶーたちゃんに教えてもらったのだけど、
イタリア語はフランス語と同様16と17の境で切り替わるそうです)そして60までで一区切り(または50までで一区切り)という考え方はスペイン語やイタリア語にはない。こういうのを考えだすといろいろロマンが広がって楽しいですな。
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