イエメン建築と言えば、茶色の壁に白の縁取りの他に忘れてならないのが「カマリア窓」でしょうか。これは、イエメン色のついた透き通った幾何学模様の窓で、都会的なおしゃれな窓という感じではなく伝統文化のようで、すごい田舎の村の家にもあったりします。もともとこういう窓スタイルはイエメンが発祥で、それが西洋に伝わってステンドグラスになったらしいです。
カマリア窓は、外に陽のある昼間は家の中で楽しめ、内側から光がある夜は、外から見ると奇麗だったりします。昼間はこのように、太陽の角度から窓に光が差し込むと、あたる壁のところに窓の反射が見えたりします。左側の壁に面した手前の大きな窓も、奥の小さな窓2つも、それぞれ右手の壁に反射しているのがみえるでしょうか。(太陽の角度がだいぶ上がってきたので、窓より下側に反射している)
イエメンの家の最上階部分には、「マフラージ」と呼ばれる応接間のようなところがあります。主にカートルームとして利用するのでしょうか。マフラージは家の中でも一番立派にする部分(見栄を張る部分?)なので、家の中でかマリア窓も一番立派だったりします。マフラージのでないにしろ、同じ部屋にかマリア窓がいくつもあるばあい、それぞれに個性があって違う模様や色になっていて、同じ窓が連なっていないところもまたステキだったりします。
夜は外から。中からの光が色とりどりに浮かび上がります。
小さい縦長の窓も可愛らしい。
実はカマリア窓は二重構造になっています。外側の窓と内側の窓の間に隙間があり、外側と内側の窓の模様が変えてあるのです。だから、同じ窓でも、内側から見るのと外側からみるのとで、模様が違うんですねー。凝っていてびっくりするわー。
カマリア窓の下の窓からこちらを見ている少女。
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