エルサルバドルに入ったとたん、私を乗せたバスを追い越して行ったバスがいた。そのバスの後方ガラスには、ダビデの星が2つ、でかでかと書かれていた。グアテマラでは一回もこんなことなかったのに、エルサルバドルに入ってから急にあちらこちらにダビデの星をみるこようになり、「????」と思っていた。でも、「普通に一筆書きの星マーク(
五芒星)を書こうとしていてダビデ(
六芒星)になっちゃってるだけかなーと軽く考えていた。ダビデの星と言えば、イスラエルの国旗の中心にもある、ユダヤ教の象徴で、ヨーロッパなんかだと、どっちかというと社会ではできるだけ隠すような代物のような気がする。しかし、そのうち、ダビデの星マークだけではなく、イスラエルの国旗までよく見るようになった。「??????」は深まる・・・。
この写真のバスも、出入り口の上に、はためいたイスラエルの国旗の絵が貼ってある。バスの内部だけならまだしも、バスの車体の外部に、でかでかとイスラエルの国旗を貼っているバスも多く見受けられた。もしかして、イスラエルが援助してバスをつくっているとか?
・・・とも考えたのだが、バスに限らず、とにかく、イスラエルという名前や国旗のついた店があちらこちらに。別に宗教に関するものを売っている訳ではなく、普通に文房具屋だったり、コピー屋だったり、お菓子屋さんだったり・・・。謎すぎる。なんでイスラエルとかダビデとかを強調したいのだ?ユダヤ教徒が多いのか?でも中南米にいるユダヤ人がこんなことするとはなんとなく思えない・・・。ユダヤ教徒だからといって、こんなにむやみに主張するのは世界的にみて珍しくない??
自家用車にもイスラエルの国旗や、ダビデやハヌカ(ユダヤ教の燭台)のステッカーを貼っている車も・・・。私が駐車してある車の後ろ姿をじろじろとみていたら、車の持ち主のおじさんがきて、いろいろ教えてくれた。
エルサルバドルでは、カトリックからユダヤ教に改宗する人が増えているらしい。彼もその一人で、ご両親がカトリックの普通のエルサルバドルの家庭に育ったが、大人になってから改宗。でも食べたらいけないものなんてないし、日曜日にシナゴーグに行くぐらい、らしい。
それってユダヤ教なのか??と多少疑問には思ったが。通常異教徒がユダヤ教徒に改宗するのはとても大変で、
コシェルのように食べてはいけないものの規定とか、戒律戒律にのっとって生活しなくては行けなかったりと、ユダヤ人として産まれただけの人よりも結構大変な生活を課されるはず。ユダヤ教自体、自分たちが選ばれしもの意識があって結構排他的だったりして、ユダヤ教自体を布教しようと思っていないような気がするんだけど。
産まれた時からユダヤの家庭で育った人って言うのは、自分がユダヤ教徒です!!というのを必要以上にアピールしないと思うが、こうやって自ら改宗した人たちは、改宗したことが今の自分のアイデンティティーにもなっているわけで、とりわけ熱狂的に?そのことをアピールしてしまうんだろうか。公共のバスの外面に貼っているのも運転手がユダヤ教に改宗した人だから、らしい。路線バスの外面にはるなんて、ちょっと公私混合ですけど・・・。でも、ユダヤで教であることが、差別にはつながらない土地だからこそできることなんだろうなぁ。
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