fumiちゃんのブログで、日本語での「お湯」というのをどうやって表現するか、みたいな話になっていたので、ちょっと思いつくことをつらつら書いてみようかと思います。もともとの話は、「
ブログ用の50の質問/世界中を楽しむ編2/5」を
fumiちゃんが答えていて、その中の質問「13 言葉での失敗談があれば教えて! 」というものにfumiちゃんが昔英語でcold water と言わなければ話がおかしくなるところを waterと思わず言ってしまった、ということから。
日本語で「水」という時は、H2Oを表していると思いがちですが、温度的にも低いものを表していますよね。日本語でH2Oは暖かくなると「お湯」となってしまい、「熱い水」といういい方はしませんもんね。で、普段なんとなくwater=水と思っているので、冷たい水を表すときに思わずそのままwaterと言ってしまうのは理にかなっています〜。
各語彙の範囲の長さはかなりテキトーですが、おおざっぱに言えば、日本語のH2Oの表現はこんな感じで表せるでしょうか。
■日本語 |
0度 | | 100度 |
----- 水 ----- | ----- お湯 ----- |
冷水 | (温水?) | ぬるま湯 | お湯 | 熱湯 |
英語の表現は、おおまかに以下のような感じかな?ま、もっと語彙はあるかもしれませんが。(こちらも語彙の範囲の長さはテキトーなので気にしないでください)つまりは英語のwaterには温度的意味は基本的にないわけですよねー。
■英語 |
0度 | | 100度 |
----- water ----- |
cold water | warm water | hot water | boiling/boiled water |
日本語の方は水とお湯に1段目で既に分かれているので、1段目のいい方を2段目よりもをよく使うような気がしますが、英語では、waterでは物質そのものしか表していないので、日常で結構2段目のいい方も活躍したりしていて、存在感もありますよね。ですから、日本語では「コーヒーにお湯をそそぐ」でも「コーヒーに熱湯をそそぐ」でも違和感はありませんが、英語だと「コーヒーにhot waterをそそぐ」だとなんか違和感を感じてしまったり・・・。
まぁ、ここまではフツーの話ですが、では、他の言語ではどうでしょう?私の知る中では、スペイン語、中国語、韓国語、ヘブライ語ともに英語系の表し方です。つまりは、「温度を表す言葉+H2Oを表す言葉」で0度から100度までのH2Oを表現をします。もちろんその「温度を表す言葉」の多い少ないは各語とも違うでしょうが、少なくとも韓国語ぐらいは日本語と同じ表現方法をもっている印象ありませんでした?
「湯」という漢字のため、アジアで日本人がおもわず勘違いしそうになるのは、「湯」という漢字はアジアでは主に「スープ」を指すということでしょうか。まぁ、あたたかいことには変わりないでしょうが、日本語のお湯のことではないわけですねー。中国語で熱湯のお湯は「開水(開は沸騰するという意味)」、熱いお湯は「熱水」、あたたかいお湯は「温水」で、みんな「水」です。韓国語は「銭湯(日本語)」を表したい時は「沐浴+湯」といういい方をして、この場合、「沐浴スープ」という意味ではなく、もちろん、お湯のことを湯と表している訳ですが、そういう例外を除けば、基本的には中国語と同じ表現方法でしょうか。
私は個人的には結構「お湯」っていう言葉好きですー。なんか「う〜ん、あったまるぅ」という感じが伝わってきて。先ほどの日本語の表にある、「冷水」「温水」「熱湯」は漢字語で、日本固有の表し方ではないので、厳密に昔からの日本でのH2Oの分類は「水→ぬるま湯→お湯」の3段階だけだったかもしれませんねー。
あと余談ですが、「ぬるい」という表現も楽しいですよね。これは他の表現と違って、ただ温度を表した言葉ではなくネガティブな気持ちがこもった表現で、「熱いはずのものなのに、十分に熱くない!」ということでしょう。これを「熱さ不足」とか表現できる言語は多いと思いますが、「ぬるい」のように全く新しい単語が存在するというのは面白いです。似たようなニュアンスだとスペイン語のtibioが近いでしょうか?tibioは人間を形容するときにも「アイツまだ生ぬるいよな」みたいな日本語にも通じるようなネガティブ表現でも使ったりするようなので面白いです。
みなさんご存知の言語では水の温度表現はどんな具合でしょうか?
他にも日本語と同じような表現方法をつかう言語ってあるのかなぁ??
<追記>
上のエントリーを書いてから思いついたのですが、日本は活火山の多い国で、もともと何もしなくても自然に熱いお湯が存在していたのだなぁ、と思いました。だから水とお湯といい分けるようになったのかな??韓国なども「温泉」という名前のものはありますが、山は全部実質的に死火山なので、日本のような温泉文化とはちょっと違います。もしかしたら、「自分たちで手を加えなくても熱いお湯がいつもそこにあった」土地で育まれた言語には、H2Oをもともと熱さで言い分ける可能性があるかも?マオリ語とか、太平洋の温泉文化が豊かなところの言語ってどうなってるんでしょうなー。もともと熱いお湯がその辺に自然になかった土壌の言語はたしかに、自分たちで手を加えて温度を変えなくちゃ変わらないから、もともと1つの言葉に温度を表す形容詞、という感じになっていくのもなんとなくうなずけるような気が??
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